日本語の条件と仮定
★『~と』
用法:一般的客観的事柄を述べる。話し手の意思とは関わりなく、前件の件が実現したら、自然に必然的に後件も実現するという表現。自然現象、真理、道順などを説明するのに適した形式。
例:春になると、花が咲く
まっすぐ行くと、左に銀行があります。
制限:『~と』の後件に意思、禁止、命令、依頼、勧誘などの話し手の意思的な考えが来ない。
例:×駅に着くと、電話をかけてください
★『~ば』
用法:『~と』と同じように反復的事象に使われ、自然現象、真理、習慣、一般的事実を表す。しかし、『~と』のように、前件が成立すると必ず、当然後件が成立するのではなく、後件が成立する条件を前件で限定している。 『諺』などに多く使われる
例:安ければ買います。
住めば都
制限:後件の述語が過去にならない
例:×昨日、デパートへ行けば佐藤先生に会った。
例外:反実仮想、過去の習慣を表すときは後件に過去が来る
例:お金があれば買いました。
制限:前件と後件の主語が同じで、前件の動詞が動作性の動詞の場合、後件に意志、命令、依頼など意志表現がこない
例:×タイへ行けば、古いお寺を見よう。
★『~たら』
用法:前件と後件のつながりが個別的、一回限りの感じが強い。結果は偶然、たまたまそうなることであり、必然性はない。口語的で後件に制約がなく、様々な仮定、条件の表現ができる。 どんな文でも使えるので使用範囲が広い。
★『~なら』
用法:ある事柄(前件)を知って、自分がそれにどう対応するかを後件に表明する。 相手のいったこと、相手の意志を受けて後件で話し手の判断、意志を表す。 名詞に『~なら』が付くと話題を限定した用法になる。
例:コンピューターを買うなら、ビックカメラがいいですよ
あなたが行くなら、私も行きます。
例:ひらがななら読めます。
制限:『~なら』は確実に訪れる未来を仮定できない。 また後件は話し手の判断なので過去の事実を述べる文には使えない。
例:×12月になるなら、雪が降ります。