日本語の伝聞と様態
★伝聞の『そうだ』
話し手が『聞いたこと』または新聞、雑誌などで読んだことなど『他から得た情報』を相手に伝える場合に使われる。
文型
動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞(普通形)+そうです
例
天気予報によると、明日は雨が降るそうです
※上記の例文のように伝聞の『そうだ』は現在形のみで表され、『そうだ』の前の部分の『話の内容』部分が変わる。
★様態の『そうだ』
話し手が自分の目で状況を見て、推測した内容、動詞文の場合はその状況は今にも実現しようとしている場合である。 『形容詞+そうだ』の場合は見た目がいかにもそうであるという意味合いで使われる。
文型
イ形容詞・ナ形容詞・動詞(現在形)+そうだ
例
①変化がおこる直前の状態
木が倒れそうだ
②外から見た内在する性質、状態
このイチゴは甘そうだ
③そうなる可能性や予想を表す
来月は残業が多そうだ
④比喩的に使われる場合
忙しくて目が回りそうだ
※伝聞の『そうだ』と様態の『そうだ』は接続の形が異なるので注意。
★『ようだ』推量(様態)の表現
話し手が見たり聞いたりした情報をもとに自分なりに推測したこと。『らしい』と似ているが、『らしい』より用法の幅が広い。『ようだ』は話し手の感覚を根拠にした推量に使われる場合も多い。
例
寒くなってきたようだ
文型
動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞(普通体)+ようだ
★比況の『ようだ』
物事の動作や状態を他の似ているものと比べて例えること。
分かるものに例えたり、分かりやすく例を示す。
例
氷のような冷たい目をした女優
去年のような冷夏がまた来るかもしれない
★『らしい』(推量)の表現
『ようだ』と同じようにその場の状況や他から得た情報をもとに推量する表現。これが事実に近いという話し手の判断を表す。
例
足跡から見て、犯人は複数らしい
彼女の話によると、花子は来年帰国するらしい
文型
動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞(普通体)+らしい
★典型の『らしい』
名詞にふさわしい性質や要素を多く備えているという意味合い。
例
女性らしい人